内海をぶらり散策、風情漂う海の町を歩く
江戸時代の面影を感じる、内海川周辺を散策
「東浜海水浴場」付近から今回の散策をスタート。海水浴場の横に東浜駐車場があり、ここに車を停めておくのが便利です。いつもの内海の町を、違った視点で案内してくれるボランティアガイドさんとともに歩いていきます。
最初に目に入ってきたのは、浜辺を見下ろすように建つ「唐人お吉の像」。
“唐人お吉”こと、斎藤きちは、アメリカから通商条約の交渉にきていたハリスに、世話役として派遣させられた芸者。人々の勘違いにより異人に身を売った女と蔑まれた、悲しい物語で知られます。…この物語はとても書ききれないため、気になる方は一度調べてみてください!
お吉は内海で生まれ、4歳の頃に家族とともに下田へ移り住みました。このお吉の像も、下田の方向を向いているといいます。
内海の海へと注ぐ「内海川」に沿って歩くと、海からの風が気持ちよくそよぎます。内海川に架かる「千歳橋」は、かつては木造で船が通れる高さになっていたんだそう。江戸時代には船による物流の拠点として栄えていた場所。川を横目に、当時の様子に想像を巡らせます。
橋を渡り、細い路地を入っていくと趣のある古い建物が並びます。その中でも特に立派な建物が「尾州廻船内海船船主 内田家」です。「内田家」と呼ばれるのは、内海の有力船主だった「内田佐七家」と、船頭として活躍した分家の「内田佐平二家」。内田佐七家は2017年7月に重要文化財に指定されています!
土日祝日は一般公開されており、中に入ることができます。
「尾州廻船内海船船主 内田家」について詳しくはこちら。
「重要文化財に指定!明治初期から残る「尾州廻船内海船船主 内田家」を探訪」
海辺のレストランで、大パノラマに心奪われながらのランチ
夏はメイン海水浴場となる「千鳥ヶ浜」の海岸沿いにあるのが、「フラワーラウンジうつ海」。2018年からホテルもオープンしている、海を眺めながら食事ができるオシャレなレストランです!1階の「カフェラウンジ-蘭- RAN」で食べられるランチを目当てに、特に女性のお客さんが沢山来るようです。私もその1人。
窓からは見事なオーシャンビュー!女性の心を掴むのも納得の景色です。ずっと海を見ていたら、お料理が出てくるまでの少しの間も飽きないですね。
見た目も華やかな「シェフ特製ランチ」は、メインをお魚とお肉から選ぶことができます。お魚は時期によって旬のものを使用しているそう。初春のこの時期のお魚は鯛。昆布蒸しにして白ワインソースで味付けされています。
お肉のメインは知多牛ハンバーグ。海の見える開放的な空間で、シェフが振る舞う料理を満喫…普段の生活ではなかなか味わえない、贅沢なランチタイムです。
料理にも景色にも満足し、次の場所へ向かいます!
ホテルフラワーラウンジうつ海
住所 愛知県知多郡南知多町内海西郷27-1
TEL 0569-64-1333(営業時間11:00〜17:00 火曜定休)
https://flower-lounge.com/
貴重な本が眠っているかも?スローな時間が流れる図書室
「千鳥ヶ浜」の海岸沿いを抜け、やってきたのは町民会館の敷地内にある図書室。この図書室には、他とは少し違う本も置かれているんです。せっかくなので職員さんに案内してもらいましょう。
館内には「梅原文庫」と書いてある棚がいくつかあります。「梅原文庫」は、哲学者の梅原猛先生から寄贈された本が並ぶコーナー。梅原先生は内海出身で、文化勲章も受章するほど日本の哲学界に欠かせない人物です。
各地から梅原先生の元へ集まった本が、さらに梅原先生からこの図書室へと贈られてきます。ジャンルもさまざまに揃い、見る人が見たら貴重な本もあるといいます。どれを読もうかな…本棚を眺めてみると、気になるタイトルが色々。何が眠っているか分からないワクワク感があります!梅原先生から不定期に贈られる本たち、次はいつくるのか分からないのもまた楽しみです。
梅原文庫以外にも、もちろん新しい本も揃っています。他の市や町の図書館では人気で借りられないものが残っていることもあり、新作を借りるのにも穴場の場所!
子ども向けにスタンプカードを作ったり、ぬいぐるみを持ち寄って図書室にお泊まりさせる会を開催したり、子どもたちにとっても気軽に来ることのできる場所となっています。かしこまった雰囲気を感じさせず、柔らかな空気が漂う居心地の良い図書室です。
町民会館 図書室
住所 愛知県知多郡南知多町大字内海字柴井1-66
TEL 0569-62-2218
https://www.town.minamichita.lg.jp/shisetsu/1001510/1001512.html
内海にはゆっくりと散策を楽しめるスポットがあちこちにあります。まだまだ魅力が発見できそう!穏やかな海辺の町の風情を感じにきてください。