ここでの出会いは一生の財産
ブランコ・ロドリゲス・アルバロさん
家族構成:妻・長男・長女
WORK STYLE
愛情がこもった畑を継いでいちじく栽培をスタート。
初めていちじくを出荷したのは2年前。長年いちじく農家をされていた方が、急きょ後継を探すにあたり、話をもらったのがきっかけです。いきなり外国人が来るものだから、驚かれたでしょうね(笑)。愛情を込めて育てた畑だから、きちんと受け継いでほしい、という気持ちが伝わり、こちらもそれに応えようと必死に育てました。いちじくは生きているものだから、本当に飽きない。病気や天災から守り、手をかけただけ良いものができます。結果としてすぐ返ってくるんです。夫婦二人だけでできるという点でも、いちじくは合っていました。
生き方に疑問を抱いたITコンサルタント時代。
ここへ移る前は、スペインでITコンサルタントをしていました。時差のある国との取引で、24時間が逆転しているかのような生活。独りのときは、それでもまだ仕事と割り切ってやっていましたが、結婚して子どもが生まれると触れ合う時間の少なさに、「何をしてるんだろう」と、生き方そのものを疑問に思ってしまったのです。
この場所と仕事にこだわる理由もなく、いずれは両親の近くに、という妻の思いもあり、それなら日本へ行こう、早く帰ろう、と。妻の実家が知多市にあるので、周辺を調べていくうち、南知多町の「田舎暮らし支援センター(NPO)」を知りました。その代表が、現在住んでいる家の大家さん。隣にお住まいで、心強い!これがスタートでした。
農業初心者が収穫まで、手取り足取り教わりながら。
仕事は、対人関係のストレスがなく、朝起きて夜休むことができるもの、と考えたとき、すでに農業をイメージしていたんだと思います。農業を始める人に2年間援助される青年就農給付金制度を知り、支援センターの紹介で無農薬農園へ研修に。野菜はもちろん、田んぼ、オリーブ畑など、いろいろ経験しました。ただ、野菜は機械も土地も持っていない夫婦がゼロから始めるのは難しく、田んぼは体格のせいか、田植えに向いていなかった(笑)。
そんなとき、いちじくの話をいただいたんです。もちろん、いちじくも素人。農薬すら分かりませんので、経験のある方に手取り足取り教わりました。1回目の収穫を経験して、翌年は記憶を頼りに一生懸命。今年、3回目の収穫ですが、ようやくコントロールできるようになりました。現在のいちじく畑は2反(1反300坪)ですが、新たに5反の畑を借りて、広げる準備をしています。雨、風、太陽・・・自然の中で生きているものと向き合って、子どものように育てていく毎日は、私の心が本当に求めていたものです。
LIFE STYLE
つながることで 可能性はどんどん 広がっていく。
昼も夜も無いITコンサルタントをしていた頃、絵画を学ぶためにスペインの大学へ入学し、美術館の模写、画家として個展を開くなどしていた妻と出会いました。二人とも自然が好きで、フットワークも軽い。そんな夫婦が始めた南知多町暮らしですが、ある日、娘の友達から絵を教えてほしいという話がありました。妻は、「いちじくが本業だから」と笑っていましたが、「本業は絵でしょ!?」と。いろんな広がりや可能性を試すことができると思い、妻に勧めたのが絵画教室です。最初は5人だった教室も翌年には3倍に。今後は大人向けのクラスも開くようで、わが家の楽しい風景になっています。つながることで広がっていく、そんな日々を実感しています。
多くの出会いと助けから、今の暮らしができています。
子どもたちは、たくましく育っています。暑くても寒くても、ずっと家にこもることなく駆け回り、風邪もひきません。「自分が食べる分くらい、自分でつくろう」という妻にならって家庭菜園をいじったり。あぁ、こんな景色を見せたかったんだ、とあらためて思います。
気持ちの向くまま手を伸ばしてつかんだ生活です。アンテナを高く、視野を広げて。ただ、ここにたどり着くまでには、田舎暮らし支援センターや研修でお世話になった無農薬農園の方々、いちじく畑を譲り、栽培を教えてくださった方、そして日本という国や町の制度があってこそ。南知多町だからこその出会いがあり、多くの人たちに助けられたことを忘れちゃいけない。ずっと感謝しながら、自然にまかせて生きることの楽しさを味わっていこうと思います。
MESSAGE
これから移住される方・移住したい方へ
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