ミチタリタ ヒトのココロ

子どもは島の宝物

日間賀島のママ達

美乃さん、美果さん、真李さん、典子さん、佐代子さん、真生さん、佐織さん

子どもは島の宝物

知多半島の先に浮かぶ日間賀島。島での暮らしは、独特の生活スタイルがあります。今回は、子育て中のママ達の集いの場でもある『ちびっこひろば』で、島での生活や子育てについて自由にお話していただきました。
現在、若い世代の主婦のほとんどが島外から来た人。そのため島の生活に慣れるのも大変だったようです。島独自の生活スタイルや人付き合いなど、最初は戸惑いを感じながらもしっかりと生活を定着させました。その背景には島の人々があたたかく迎えてくれたことや、同じ境遇を持った女性同士が繋がりやすいことも大きかったようです。特に子育てに関しては、お互いに助け合ったり情報を共有したりして、島のみんなが協力的。子どもたちも大自然とあたたかい心に抱かれてのびのびと育っています。

みんなが顔見知りで、島全体がひとつの家族

——皆さんが日間賀島に住もうと思ったきっかけは何でしたか?

佐代子さん:
私を含め、みんなが結婚を機にこの島で生活を始めました。
真季さん:
私は三重県出身ですが、名古屋市など愛知県内から島に来た人が多いですね。
美乃さん:
私は民宿のバイトで初めて来たのですが、それまで日間賀島を全く知りませんでしたし、まさか結婚して島で生活するなんて思いもしませんでした(笑)。
真生さん:
私と佐代子さんのところは、民宿を経営していますが他の人たちのご主人は漁師が多く、みんなこの島で育った人ばかり。主人同士が顔見知りなので、島に来てもみんなが声をかけてくれるので、すぐに仲良くなれて入り込みやすかったです。
典子さん:
私たち若い主婦は、他の土地から来た人が多くて最初は島に馴染めるか不安でしたが、まわりの親戚などがあたたかく迎えてくれました。

——実際に住んでみて、良い点はどんなことですか?

美果さん:
やっぱり周りが海ですし、自然に恵まれていること。島に来る前は仕事でいつも時間に追われていましたが、ここに来たことで心がおおらかになりました。海を見ているとカリカリしなくなりますよ。(笑)それに、幼い頃からやっていた習字をいかして、習字教室を始めたことによって、地域の子供達とのふれあいが楽しいです。
美乃さん:
人のあたたかさが魅力です。島では道で誰彼ともなく挨拶や会話を交わすことが珍しくないです。私が家の前で大量の生ワカメを干すのに困っていると、たまたま家の前を通った知らない爺ちゃんが、どこからか竹や枝を持ってきて、手際よくサッサと干し台を作ってくれるなど、通りがかりに助けられる事も多いです。他にも子供が帰らず探していたら、いつの間にかまわりの人がLINE™などで手分けをして探してくれるとか、困った事があるとすぐに駆けつけてきて助けられる事が多々あり心強いです。
真季さん:
島の人たちは老若男女問わず仲が良く、イベントなど何かをやろうとしても多くの人が繋がり快く協力してくれます。本当にその団結力はすごいものがあります。それに、実家の親も三重県から島へすぐに渡れる所へ移住してきて、新しくオープンした海の家を手伝いに来てくれますが、南知多町ならではの生活や、人との触れ合いを楽しんでいます。
真生さん:
漁が出ると、何が獲れたかすぐに情報がわかります。海から揚がったばかりの新鮮な海の幸が食べられるのは、以前の生活には無い大きな事です。プライベートなことも知られて恥ずかしいこともありますけど、島の親族もみんないい人で、私は、ここが大好きになりました。
佐代子さん:
島ですから、民宿をやっていると気候の影響を受けやすく、台風などの悪天候になると、お客様が大幅に減ってしまうことがあります。以前、支払いが苦しくなった時に、島の人に「いつでもいいよ」と言って助けていただきました。ここだからこそ、ピンチを乗り越えられたのかもしれません。自分で海のものをとりに行くこともありますが、漁師から新鮮な海の幸を分けてもらえたり、近所のお婆ちゃんから野菜をもらえたり、ありがたい環境です。
美乃さん:
海があることは大きいです。魚、あさり、天草、ワカメなど旬のものを子供達と一緒にとりに行きます。実家の親が、海産物が大好物なので送ったりしますが、ふだん口にできないような新鮮な海の幸が食べられるようになって、とても喜んでいます。また、親戚や友達などが島生活を楽しみに来ることもあります。姪や甥などが遊びにくると、服のまま泳いだりして、非日常を味わっていきます。(笑)

交通手段が船だけなので、急用時に不便さを感じる

———反対に、島の生活で不便なことや困ることはどんなことですか?

美乃さん:
はじめのうちは、人の繋がりがおちつかないという声も聞きます。
真季さん:
買い物が自由にできないことですね。インターネットで取り寄せることも多いですが、実際に見て買いたい物や子どもの物で急に必要な物が要る時など、海を渡るしか無くて困るときがあります。
典子さん:
島の子どもたちは、中学までずっと島の中で育ちますが、限られた環境なので選択肢が絞られ、知識や技術能力などが伸び悩んでしまうところがあります。そういった面では、本土の人と比べると環境の差を感じてしまう部分があります。
美乃さん:
子供が育つ環境として美しい海があるだけで贅沢ですが、子供達には島の中でだけでなく、島外の様々なものを見て体験させてあげたいなと感じることがあります。島外へ習い事などをする子や、SNSで、島の外の子と交流することも増えてきましたけどね。
佐代子さん:
島に、診療所は有ります。だけど、急な病気やケガで専門医療が必要な時には、どうしても設備が充実した病院に行かなければなりません。本土に渡るには定期船や海上タクシーがありますが、船代もバカになりません。交通面の不便さは感じますね。
美果さん:
島の診療所では出産の設備が整っていないので、みんな出産の時は本土の病院で産んでいます。定期検診などでしばらく通院なければならない時は、しんどいなと思うこともあります。

子育てはみんなで助け合いながら伸び伸び

——皆さん、お子さんをお持ちですが子育ての環境としてはいかがですか?

佐代子さん:
仕事が忙しい時期は、子どもをかまってあげられない時もあります。そんな時はまわりの人たちがいろいろ世話をしてくれるので大助かりしています。
美乃さん:
海があるので幼い頃から砂浜で泥んこになって大自然の中での遊びをおぼえます。学校は島のてっぺんにあり、毎日素晴らしい海の絶景を子供達は見て過ごしています。授業も島ならではのアサリかき、天草とり、砂浜遊び、漁業体験授業などがあり、子供達の事ともなれば地域がとても協力的です。島民運動会などの行事や遊びなど、みんなで楽しむ機会も多く、自分達だけでなく地域のみんなで子育てをしている感じがあります。ここへ来てビックリしたのですが、かなり年上のおじさんやおばさんでも、あだ名で呼んだり、同世代のようにフレンドリーです。そういった中で育つせいか、ぶっきらぼうでも根っこが優しく感じる人が多いです。人は人の中で育つということをしっかり学ばされました。
佐織さん:
うちには発達障害を持っている子がいます。得意なことと苦手なこととの差(凸凹)が大きく、まわりの人や勉強も大好きですが、自分の気持ちをうまく表現することが苦手です。なので、みんなの中に入っていけるか、とても不安でした。私自身も、無理しない程度になるべく外へ出ていたせいもあってか、徐々にまわりの人のあたたかさを知っていきました。うちの子も、幼い頃から島の人に知ってもらっていくうちに、いつの間にか自然にみんなが一つの個性として受け入れてくれるようになっていました。おかげで、親子で日々笑って過ごせています。子供達を、島のみんなで大切に育てているからか、おおらかで優しい人が多いような気がします。ホントに、子育て環境が良いなと日々感じています。
美果さん:
島内だと顔見知りが多く、子どもたちも安心感があって誰にでもなついています。自分の子どもがどこにいるかもすぐにわかるので助かります。
美乃さん:
どうしても母親の視野が狭くなりストレスが溜まりがちな子育て期ですが、狭い島の中で少しでも安心して楽しく子育て期を共有できるといいなという気持ちで、子育てネットワーカーとして行政と連携しながら支援活動しているママ達がいます。また、どこの親も同じ気持ちでしょうが、子供達のためともなれば、すぐに団結しやすい地域でもあり、年々島環境が良くなってきています。

移住を希望するなら地元とのコミュニケーションが大きなポイント

——日間賀島に移住したい人にアドバイスを送るとしたらどんなことですか?

美乃さん:
島は、家族的な仲間意識が強いです。挨拶するとか、自分が心の壁を作らなければ、馴染みやすいです。誰も信じてくれませんが、私自身、ここの生活に慣れるのに時間がかかりました。島に来たとたん夫の親族、友人、仕事関係者など全部が一緒に住んでいる地域になり、みんながいろいろと気を使ってくれるのに、逆に気を使ってしまって、‘そっとしておいて~。おちつかない~。’なんて感じていた時期もありました。(笑)しかし、地域の人と触れ合って繋がっていくうちに、だんだん心がおだやかになっていき、今だと会う人会う人みんな好きになりました。海もですが、人に恵まれて過ごせて、なんて幸せなんだろうと感じる事が多いです。
佐代子さん:
女性であればお嫁に来るのが一番!!「○○さんの嫁さん」ということで、すぐ島中に知れ渡り、大歓迎モードで島の人たちとすぐに仲良くなれますね。わからない事や困った事でも、まわりの人がいろいろ教えてくれるので、嫁入りした女性の場合はてっとり早く馴染みやすいですね。島の男性は、ピュアで優しいですよ。
真生さん:
移住して仕事で成功している例もあります。誰かの知り合いでなく、よそから来た知らない顔の人には、距離をおく人も多く、はじめは大変なこともあるかと思います。数年前に、島には無かった整骨院を始めた男性がいて、最初のうちは地域の反応は寂しかったようですが、だんだん男性の人柄や想いがまわりに伝わり、現在みんなに信頼されて、その整骨院は、島のお年寄りで賑わっています。島の仕事でも、手が欲しいところも多いです。これから先、どんどん移住してきてくれると嬉しいです。

日間賀島子育てネットワークからのメッセージ

座談会後記

今回7名のママ達に集まっていただきましたが、皆さんとても明るく、大らかでポジティブ。離島での生活は交通の便や行動範囲が限られる時も有りますが、そうしたハンディを感じさせないみんなで目の前の人や物事を楽しもうとする前向きな姿と笑顔には、自分たちの生活に誇りを持っているようにも思われました。ママ達をはじめ地域の繋がりも強く、みんなで何かをやろうとする時はその団結力が素晴らしいです。そして思ったことははっきり言う。そんな心の自由と自然、何より地域の人のあたたかさが良い子育て環境をつくっているようです。

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